気がつけば2021年も終盤に差し掛かりました。新しいスマートフォンをこれから購入する方も、すでに購入された方もいるでしょうが、改めて今年発売されたスマートフォンのトレンドについて、振り返っていきましょう。
なお、2021年10月1日からは「SIMロック」が原則禁止になりました。同日以降に発売された端末については、原則SIMロックがかかっていないと考えて良いでしょう。
当然、対応周波数帯などに注意する必要はありますが、キャリアで購入したスマートフォンを格安SIMで運用することも従来より行いやすくなっています。
維持費を極力押さえつつも、納得の端末を使いたいという場合には、端末選びの視野を広げてみるのも重要です。
※記事内の価格は全て税込です。
目次
トレンド(1):安価な5Gスマートフォンが続々と登場
2020年、昨年は日本国内における5G元年でした。
通信プランが4Gから5G対応へと移行していき、まずは各メーカーのフラグシップモデルやハイエンドモデルを中心に5G対応のスマートフォンが登場し、ちらほらと5G対応のミッドレンジが増えてきました。
一方、2021年に入ると、5G対応のミッドレンジモデルは既に選択肢が豊富な状態になってきています。
例えば、2月にソフトバンクが発売したシャオミ「Redmi Note 9T」は5G対応で総額2万1,600円(税込)。6.53型のディスプレイを備え、トリプルカメラやFeliCaなど、ポイントを押さえた実用重視の端末でした。
また、同じく2月には4万円前後のシャープ「AQUOS sense5G」も発売。MNOが揃って取り扱いを開始しました。
こちらは廉価帯の端末として人気の「AQUOS sense」シリーズの5G対応モデルということもあって、FeliCa対応、IPX5/8の防水、IP6Xの防塵性能に加え、米国国防総省が定める物資調達基準の「MIL規格」19項目に準拠するタフネス仕様なども備えた長期運用に適した仕様が目を引きました。
さらに、11月にはその後継機であるシャープ「AQUOS sense6」も発売されました。
有機ELディスプレイを搭載したことに注目です。特にauでは約4万円で販売されており、eSIMもサポートしているなど、お手頃価格帯の端末としてチェックしておきましょう。
▲シャープ「AQUOS sense 6」
また、21年1月にクアルコムが廉価帯を意識した5G対応のSoC(システムオンチップ)である「Snapdragon 480 5G」を発表したことも安価な価格帯のトピックとしては重要。夏季にはこれを搭載するスマートフォンも登場していました。
これによって、ゲーミングなどには向かないものの、コストパフォーマンスの高い選択肢がさらに充実した印象です。
例えば、同チップセットを搭載する機種としては、OPPOの「OPPO A54 5G」や、シャオミの「Redmi Note 10 JE」などが代表的。
「OPPO A54 5G」は、6.5型の大画面やクアッドカメラ、5,000mAhの大容量バッテリーを搭載するなど、仕様面のバランス感に優れた一台。6月下旬からSIMフリーモデルが約3万円で販売され、MNOではauでも取り扱われました。
また、「Redmi Note 10 JE」はシャオミが日本専用モデルとして投入した一台。auが8月に発売したほか、UQ mobileでも取り扱われました。
FeliCa搭載やIP68の防水防塵などいわゆる「日本仕様」もサポートした状態で、価格は2万8,765円、とお手頃感の強さが際立ちました。
トレンド(2):折りたたみスマホが身近な存在に
ハイエンドでは「フォルダブル」=折りたたみスマホも注目のジャンル。振り返ると、フォルダブルスマホ「Galaxy Fold」がauから発売されたのが、2019年秋のことでした。当時の一括価格は24万強で、尖った最新ガジェット感の強い存在でした。
あれから2年が経過し、フォルダブルジャンルの製品は、より洗練されつつ、身近な存在へと変わりつつあります。
例えば、国外に目を向けると、2月にHUAWEIがシリーズ3代目の「Mate X2」を発表したり、3月にシャオミが初めて「Mi Mix Fold」を発表したり、とフォルダブル端末の発表ラッシュが続きました。
国内で取り扱われた製品としては、モトローラが3月に縦折り型「motorola razr 5G(モトローラ レーザー ファイブジー)」の国内投入を発表。ソフトバンクの取り扱いや、SIMフリーモデルとしての展開が発表されました。なお、SIMフリーモデルは、直販サイトで17万9,800円。
8月には、サムスン電子が縦折り型「Galaxy Z Flip3 5G」をグローバルで発表。10月にはNTTドコモとauから発売されました。
▲「Galaxy Z Flip3 5G」
FeliCa搭載や防水対応で、フォルダブルスマートフォンとしては破格の14万円台で展開されました。前世代モデルは25万円以上したことを思えば、かなり割安です。
折りたたみ画面を誰もが試せる時代の到来を感じさせた一台でした。
さらに、同社は横折り型「Galaxy Z Fold3 5G」も発表。同ブランドにおけるスタイラスペン「S-Pen」の対応や、FeliCa搭載、防水性能など、こちらも洗練された仕様が注目されました。
こちらは、NTTドコモとauが10月に発売しています。ただ、こちらの価格は24万円弱で、まだまだ最高級デバイスの座に鎮座しています。
トレンド(3):大型センサー搭載のカメラスマホが登場
スマートフォンメーカーがカメラに注力するのは今に始まった話ではありませんが、21年にはユニークなアプローチをする製品がいくつか出てきました。それはセンサーの大型化です。
特に、高級コンデジなどに搭載する1.0インチサイズのセンサーを採用した機種が目立ちました。
例えば、6月にソフトバンクが発売したライカ初のスマホ「Leitz Phone 1(ライツフォン ワン)」(18万7,920円、シャープ製)や、7月にNTTドコモやソフトバンクなどから発売されたシャープ「AQUOS R6」(NTTドコモで11万5,632円)がこれに相当します。
どちらも若干癖のある存在ではありますが、静止画撮影の基本を抑えた人ならばかなり綺麗に撮れるという点で、カメラ好きユーザーに訴求する製品です。
▲「Leitz Phone 1」
▲「AQUOS R6」
また、プロフェッショナル向けの製品としては、11月に「Xperia PRO-I」が発売されました。こちらも1.0型センサーを搭載しており、さらに像面位相差AFをサポート。
販路はソニーストアや量販店のほか、MNOではauも取り扱っています。静止画のみならず、動画を撮ったらそのまま配信する、といった需要でも重宝する存在だと言えます。価格は19万8,000円。
▲「Xperia PRO-I」
一方、センサーサイズが1.0インチまで行かずとも、定番の「iPhone 13」シリーズや、「Pixel 6」シリーズ、「Xperia 1 III」などもセンサーサイズがかなり大きいです。
例えば、Pixel 6シリーズは1/1.31インチ、Xperia 1 IIIは1/1.7インチのセンサーを搭載しているカメラを背面に備えます。
なお、今に始まったトレンドではありませんが、iPhoneやPixelは「コンピュテーショナルフォトグラフィー」と呼ばれる画像処理に重きを置いています。
画像処理によってズーム撮影のノイズを極力抑えたりするような部分の進化も最新モデルでは顕著です。なお、Pixelはレタッチ機能の搭載も話題になりました。
ほかにも、シャオミのフラグシップモデル「Xiaomi 11T Pro」(11月発売、BIGLOBEモバイルで5万9,928円)や、OPPOの「OPPO Find X3 Pro」(7月発売、SIMフリーモデルで11万8,000円)など、カメラにこだわったSIMフリーモデルも多数出てきていますので、合わせてチェックしておきましょう。
※BIGLOBEモバイルでは5G通信に対応したサービスを提供しておりません。(2021年12月時点)