子どもの成長に伴い、スマホを持たせるかどうか検討し始める方も多いでしょう。しかしスマホには多くの利点がある一方、インターネットと繋がることによる危険も多く潜んでいます。子どものスマホ利用は何歳から、どのように使わせるのがよいのでしょうか?
この記事では、スマホを子どもに持たせるメリットとデメリット、持たせる際の対策を紹介します。
目次
みんなはいつからスマホを持たせている?
何歳からスマホを持たせ始めるかは、各家庭の教育方針によって異なります。ただし、これには一定の傾向があるようです。
スマホ利用の消費者動向を調査している「MMD研究所」は、2020年に子どものスマホ利用に対する調査を行いました。1,799人を対象とした調査結果によると、子どもがスマホデビューした学年TOP3は以下のようになりました。
【スマホデビューした学年TOP3】
①中学3年生(16.3%)
②小学校6年生(12.1%)
③高校3年生(7.7%)
小・中・高の段階別にデータを整理した場合、最も多いのは小学生で40.1%、次いで中学生が35.4%、高校生が18.6%という結果でした。
段階別に見ると小・中学生からスマホを持たせる家庭が多く、タイミングとしては最終学年になった頃が多数派のようです。
引用:スマホデビュー時期は中学3年生が16.3%、小学6年生が12.1% 小中高の中では小学生が40.1%と最も多く、低年齢化傾向にある|MMD研究所
スマホを持たせるメリット
子供と連絡が取りやすくなる
子どもは成長につれて行動範囲が広くなります。友達と離れた場所に遊びに行くこともあるでしょうし、習い事で帰りが遅くなることも。こんなとき、スマホを持たせればいつでも連絡を取れるようになります。
事故や事件の際の備えにできる
子どもがいる家庭の不安の一つが、事故や事件に子どもが巻き込まれないか、という点です。子どもにスマホを持たせることで万一の備えとしている家庭もあります。
何かあった際にスマホを持たせておけば、子どもが自発的に外部に助けを求めることができるようになります。また、スマホのGPSをONにしておけば位置情報を特定することもできます。
自分で調べものができるようになる
子どもが分からないことを自分で調べ、知識を吸収できる点もスマホのメリットです。学習や日々の生活で生まれた疑問点を自分で調べ解決できるようになるため、知見を大きく広げることができます。
スマホを持たせるデメリット
スマホは非常に便利ですが、メリットと同時にデメリットも存在します。スマホを持たせることにはどのような弊害があるのかを知り、適切な対策を講じることが必要です。
SNSなどで見知らぬ相手との交流が生まれる
SNSなどのコミュニケーションツールを経由して、インターネットの向こうの知らない相手との交流が生まれる可能性があります。離れた場所の相手とやりとりができるSNSは便利で楽しいものですが、なかには悪意を持ってSNSを使用するユーザーも存在します。
有害サイト・アプリを使用する場合がある
スマホからインターネットに接続し、有害サイトを閲覧したりアプリをダウンロードしたりしてしまうこともあります。これは必ずしも違法なサイトやアプリに限らず、子どもの年齢に相応しくない性的・暴力的コンテンツも含まれます。
アプリやサービスへの無断課金
アプリやサービスに子どもが勝手に課金してしまうことも懸念されます。事実、親のクレジットカードを使って子どもが無断でゲームに課金してしまい、高額な請求をされたという例は時折見られます。
子どもにスマホを持たせる際の対策
親が子どもに安心してスマホを持たせるために、どのような対策が可能なのでしょうか。考えられるものを三点紹介します。
フィルタリングサービスの導入
対策の一つとして検討できるのが、スマホキャリアで用意しているフィルタリングサービスを利用することです。
【フィルタリングサービスの利用でできること(一例)】
- アプリのダウンロードの制限
- スマホ端末の機能制限
- 利用状況のチェック
- 年齢に応じたフィルタリングのレベル設定
- GPSによる現在地の確認
「docomo」「au」「SoftBank」「楽天モバイル」の4大キャリアでは、スマホ契約時に利用できる以下のフィルタリングサービスを用意しています。
提供元 | サービス名 | 利用料金 |
au |
あんしんフィルター for au |
無料 |
docomo |
あんしんフィルター for docomo |
無料 |
SoftBank | あんしんフィルター | 無料 |
楽天モバイル |
あんしんコントロール by i-フィルター |
月額330円 (税込) |
フィルタリングサービスはMVNO(格安SIM事業者)でも用意されています。
たとえば、BIGLOBEモバイルでは、月額220円(税込)でフィルタリングブラウザ「i-フィルター」の利用が可能です。
有害コンテンツやアプリの利用を制限し、子どもが安心してスマホを使用できるよう設定できます。
各アプリストアからのダウンロードを制限
端末やアカウントに設定をおこなうことで、アプリストアからのコンテンツのダウンロードを制限することが可能です。
iPhoneの場合、端末の「設定」画面からiTune StoreとApp Storeでの購入を制限できます。「設定」→「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」→「iTunes および App Store での購入」→「許可しない」で設定してください。
androidのスマホでは、Google Playの設定を変更することでダウンロードの制限ができます。Google Playを開き「設定」→「保護者による使用制限」から、任意のレート制限をかけてください。3+(3歳以上)から「すべて許可」までレベルが存在します。
なお、どちらの方法でも最初に設定変更のためのパスコードを作成できます。認証を突破されない限り子どもに設定を変更される心配はありません。
親子の間でスマホ使用のルールを決める
一方的に使用を制限すると、子どもからの反発を招くかもしれません。また、子どもが節度を持ってスマホを使えるよう、話し合って使用に関するルールを設けておくことをおすすめします。
【スマホの使用に関するルール(一例)】
- ゲームは学校の宿題が終わってからにする
- 外出時はGPSをオンにする
- 有料コンテンツの購入は親の許可をとる
親子ともに納得のうえでスマホを利用できると良いですね。
成長とともにスマホとの付き合い方は適時見直す
子どものスマホデビューは小学生から中学生の間が多数派ですが、スマホの使用にはデメリットもあるため、適切にスマホを使用するには親の助けが必要です。
ただし、成長につれてフィルタリングの強度を下げるなど、制限は適宜見直すようにしましょう。