スマートフォンを快適に使うためにも機種選びの際にはチェックが欠かせない、処理性能に直結する「プロセッサ」。
この装置の性能が高いほど、複雑な処理がサクサクこなせ、操作していても快適と感じる可能性が高まります。
しかし最近では価格の安いSIMフリースマホにも「高性能オクタコアプロセッサ搭載!」を特長とするモデルが出てきており、価格の安い・高いでどう違ってくるのかわかりづらく感じるのも事実ですね。
そこで今回は、スマホ選びに役立つ「プロセッサ」の知識を紹介します。
目次
はじめに:異なる表記に違いはあるの?
今回は冒頭から「プロセッサ」という単語で話をしてきました。
しかしスマホのスペック表を確認すると、キャリアやメーカーによって「プロセッサ」「CPU」「SoC」と表記にバラつきを見かけることも。
何か違いはあるのでしょうか。
スマホやタブレットについての説明であれば、基本的に「プロセッサ」「CPU」「SoC」の3つは同じものと考えてOKです。
どの単語も同じ意味で使われることがほとんどでしょう。
厳密にはこの3つは指し示すモノが少し違い、ほとんどのスマートフォンに搭載される処理装置をより正確に指し示す単語「SoC」。
SoC(えすおーしー/そっく)とはSystem on a Chipの略で、処理を行うために必要な部品をまとめて組み込んだ装置です。
ただしこの「SoC」という単語だと、イマイチ何のことかイメージがつかない人も多いのではないでしょうか。
そこでキャリアやメーカーによっては、よりイメージがつきやすい「CPU」や「プロセッサ」という単語を選び使っています。
プロセッサのコア数
プロセッサのしくみとしてまず外せない存在が「コア」とその数。
コアは実際に演算処理を行う“頭脳”にあたる部分であり、コア数は“演算処理のために用意された頭脳の数”といえます。
スマホでよく見かける、コアの数を示す表記には、おもに以下のような種類があります。
デュアルコア……2コア
クアッドコア……4コア
ヘキサコア……6コア
オクタコア……8コア
デカコア……10コア
一般的にはコア数が多ければ多いほど、同時にこなせる演算処理の量も多くなります。
そのため、基本は「コア数が多い=処理性能が高い」と考えばOKです。
ただしコアの処理性能に影響を及ぼす要素はほかにもあるため、この式が“100%絶対”に成り立つわけでないことには注意が必要です。
プロセッサの動作周波数
コア数とともに、プロセッサの処理性能に大きく関係する要素が「動作周波数」。
コア数が“演算処理のために用意された頭脳の数”だとすれば、動作周波数は“頭の回転の速さ”とイメージするのがわかりやすいかもしれませんね。
スマホのプロセッサに関する説明で「2.35GHz オクタコア」などと書かれているうち、「2.35GHz」の部分が動作周波数を示しています。
プロセッサでは、処理を細かく分解し、ひとつひとつを高速で処理することで、複雑な処理でもスムーズにこなします。
たとえば「2.35GHz」であれば、細かく分解した処理を1秒間に23.5億回こなすことができる(!)ということになります。
動作周波数についても、一般的には「数値が大きい=処理性能が高い」の理解でOKです。
なお複数のコアを搭載するプロセッサの場合、すべてのコアで同じ動作周波数が設定されている場合もあれば、一部のコアにのみ高い周波数が設定されている場合も。
例えば「2.35GHz クアッドコア + 1.9GHz クアッドコア」 といったように書かれることがあります。
ここまでの話をまとめると、一般的にプロセッサは「コア数が多く、動作周波数が高いほど、処理性能が高い」となります。
GPU
そのほかプロセッサの処理性能に関係する要素として、もうひとつ挙げておきたいのが「GPU」。
GPUは「画像処理装置」とも呼ばれるもので、3Dグラフィックなどをはじめ、画像に関する処理をCPUに代わってこなします。
他のスマホよりプロセッサのコア数が多く、動作周波数も高いのに、ゲームで遊ぶと動きがモッサリしてイライラした経験がある、なんて人もいるかもしれませんね。
特にグラフィックのキレイ(複雑)なゲームなどにおいては、そのストレスの要因としてGPUの違いが挙げられるかもしれません。
ちなみにGPUは機種によってスペック表に詳細が書かれていないことも。
そのため気になるスマホがあれば、展示機に触り確認する、あるいは同じプロセッサ(とメモリ)を搭載する他の機種を触ってみるといった「実物での確認」がオススメです。
さいごに
さいごにあらためて、今回説明したポイントをまとめておきますね。
- スマホやタブレットでは「プロセッサ」「CPU」「SoC」は同じ意味と考えてOK
- プロセッサは一般的にコア数が多く、動作周波数が高いものほど高性能である
- スマホでゲームをたくさん遊ぶならGPUもチェックできるとなおよし
最後にまとめたポイントだけでも頭に入れて、ぜひ今後のスマホ選びに生かしてみてくださいね。